霧島・高千穂峰|天孫降臨と登頂断念
鹿児島県と宮崎県の県境にそびえる高千穂峰(たかちほのみね/標高1574m)は、霧島連山の一座でありながら、特別な存在感を放つ山です。

日本神話の「天孫降臨」の舞台として知られ、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が降り立ったとされる神聖な山。山頂には天の逆鉾(あまのさかほこ)が立ち、今も信仰を集めています。
今回はそんな高千穂峰に挑戦した登山記録。ただし、登頂は断念。その理由と、山を歩くことで得られたものについて綴ります。
登山口とルート

スタートは、登山者に人気の高千穂河原駐車場。トイレや案内板も整備されており、霧島神宮の古宮址から登山が始まります。
登山ルートは火口の縁を歩くスリリングなコース。高千穂峰の特徴的なシルエットをぐるりと巻くように進みます。
- 駐車場:高千穂河原(無料・トイレあり)
- 登山口:高千穂河原登山口
- 標高差:約600m
- 山頂までのコースタイム:登り約2時間/下り約1.5時間(※今回は途中撤退)

霧島神宮の古宮址跡から歩き始め。山の歴史を感じさせるスタート地点です。
撤退の判断の理由

登山を開始してしばらくは、冷たい風に注意しながらも順調に登っていきました。
しかし、御鉢(おはち)と呼ばれる巨大な火口を回り込むあたりから、強風と寒波の影響が急激に強まったことと、アクシデントもあり、体力・気力ともに消耗。
「このまま登り続けると、下山できなくなるかもしれない」と感じ、山頂手前の御鉢で撤退を決断しました。
「せっかく来たからには…」という気持ちも少なからずありますが、無理をしない判断も登山の大切な技術。今回は下山することを選びました。

御鉢の火口を回り込むあたり。風が強く、切り立った稜線を歩く過酷なエリアです。
山頂に至らずとも、出会えた風景と歴史
登頂こそ叶いませんでしたが、それでも霧島神宮の古宮址や天孫降臨神籬斎場(ひもろぎさいじょう)、そして御鉢火口のスケール感など、高千穂峰ならではの風景を味わうことができました。
また、歩きながら感じる神話の気配や、信仰の歴史がこの山の魅力をより一層深いものにしてくれます。

振り返ると中岳や新燃岳がそびえ、まさに霧島連山の中心にいる感覚になります。
また来ればいい。山は逃げない
今回は登頂こそ叶いませんでしたが、無事に帰るという判断ができたことは間違っていなかったと考えます。。
「また来ればいい。山は逃げない。」
そう思えるだけの魅力と風格が、高千穂峰には確かにありました。
次こそは、天の逆鉾が立つ山頂まで。改めて挑戦したいと思います!
高千穂峰の概要
- 標高:1574m
- 場所:宮崎県・鹿児島県
- 所属:霧島連山の一峰(第二峰)
- 特徴:火山、天孫降臨の神話、天の逆鉾が立つ