薩摩富士・開聞岳|円錐の独立峰から望む大海原と信仰の山歩き【YouTube動画あり】
鹿児島県指宿市にそびえる開聞岳(かいもんだけ/標高924m)は、「薩摩富士」とも称される美しい円錐形の独立峰。その姿を一度見れば、誰もが登ってみたくなるような魅力を持つ山です。
今回はそんな開聞岳に登ってきました。天候にも恵まれ、海と空の壮大な景色、そして信仰の歴史が息づく山旅となりました。
登山ルートとアクセス
登山口は「かいもん山麓ふれあい公園」に整備された駐車場からスタート。

登山口は2合目付近にあり、標高差約700mを一気に登るルートです。山頂までは一本道で迷うことはなく、時計回りの周回コースのように整備されています。

静かな樹林帯とザレた足元
登山開始から5合目付近までは、展望のない樹林帯が続きます。

足元は小さなザレた砂利が多く、踏み込んでも力が逃げるような足場が続き、体力をじわじわと奪ってきます。

このあたりは地味にしんどいので、ペースを崩さないよう慎重に進みました。
5合目展望台からが開聞岳の本番!
5合目の展望台に到着すると、ようやく視界が開けます。

長崎鼻や大隅半島の眺望が眼下に広がり、ここで初めて「登ってきた実感」を得られます。
標高が上がるにつれて足元の石は徐々に大きくなり、岩場のような場所も出てきて変化が出てきます。

空と海の絶景
中腹を回り込むように進むと、南側に開けた展望ポイントへ。
眼前には広大な海と空が広がり、まるで海に浮かぶような錯覚を覚えるほどの絶景が現れます。
この日は空気が澄んでいて、遠くに種子島の姿がうっすらと見えました(晴れた日には屋久島まで見えることもあるそうです)。

信仰と修行の歴史
山頂手前には「仙人洞」と呼ばれる洞窟があります。

ここはかつて、修験道の山伏たちが籠って修行を行っていた場所と伝えられており、開聞岳が単なる登山の対象ではなく、信仰の山として崇められてきた歴史が今も残っています。
■ 山頂到着!360°の大パノラマと御嶽神社
そしてついに山頂へ。
視界を遮るもののない山頂からは、360°のパノラマビューが広がり、薩摩半島、東シナ海、太平洋、遠くの島々まで一望できます。

山頂には、枚聞(ひらきき)神社の奥宮「御嶽神社」が鎮座。

開聞岳そのものが枚聞神社のご神体であり、古くから「薩摩一宮」として地元の信仰を集めてきたことが伺えます。
また、山頂には現在の天皇陛下(徳仁陛下)が平成4年に登頂された記念碑もあり、格式ある山であることを改めて感じさせられました。
自然・地形・歴史を感じる山旅
登山口から山頂まではおよそ3時間ほど。下山は2時間程度でした。
登山としては中級程度の体力が求められますが、整備されたルートと絶景のおかげで満足感の高い山行でした。

開聞岳はその美しい姿と歴史・信仰・地質的魅力を兼ね備えた、まさに「歩いてこそ価値のある名峰」だと感じました。
開聞岳の概要
- 標高:924m
- 場所:鹿児島県指宿市
- 別名:薩摩富士
- 特徴:玄武岩の成層火山